中国輸入でかかるコストには、商品代金や輸送費だけでなく「関税」も忘れてはいけません。
関税は海外から商品を仕入れる時には、条件によって注意しなくてはならないことも多いです。
関税によって思った以上に仕入れ価格が高くなってしまった、というケースも少なくありません。
今回は、中国輸入で大切な関税の費用や関税を安くするポイントをご紹介します。
関税とは
関税とは、どの国のものでも日本に輸入する際に課せられる税金です。
関税は各国の産業を自国で優位にして衰退しないようにするため、輸入品に対して掛ける負担金になります。
関税でかかる費用は、商品のカテゴリーや原産国によって変わる仕組みです。
中国輸入ではどのように、いくらくらい税金がかかるものか想定できるようにしておきましょう。
中国輸入の関税に関わる輸入方法
関税がかかる種類には、「個人輸入」と「商用輸入」の2種類があり、計算方法もそれぞれで異なります。
個人輸入と商用輸入の特徴について解説します。
個人輸入の場合
どこまでが個人輸入となるのか?という疑問を思う人が多いですが、法令上では決まった定義はありません。
基本的には、海外から個人で使用する目的で購入することが、個人輸入に当たります。
例えば、個人で海外から商品を購入して、すぐに何度もネット販売をしていたら、個人で輸入をしていても商用輸入です。
また、個人で海外から購入して、使用した後の中古品としての販売であれば商用輸入には当たりにくいでしょう。
【個人輸入の関税の計算方法はこちら】
「商品代金×0.6×関税率」
個人輸入の場合は60%の減額があり、コストの削減にも繋がります。
商用目的による商用輸入の場合
個人や企業を問わず、海外から輸入した商品を販売することは商用輸入となります。
「少しだけなら大丈夫だろう」という考えは禁物です。
商用輸入に規模は関係なく、販売目的であれば商用輸入になるので注意しましょう。
【商用輸入の関税の計算方法はこちら】
「(商品代金+送料+保険+その他経費)×関税率」
個人輸入のように60%の減額はありません。
中国輸入に関わる関税率
個人輸入でも商用輸入でも、関税の計算式には「関税率」が関わります。
その関税率には、「簡易税率」と「実行関税率」の2種類があります。
簡易税率
簡易税率は、課税対象金額を20万円以下とした場合に、品目の種類別に関税率が定められています。
酒類やコーヒー、衣類、プラスチック製品、ゴムなど、大きく7個に区分。
無税のものから20%の税率、酒類の場合はリットル当たり20円から70円に設定されています。
実行関税率
実行関税率は、20万円を超えた場合に適用され、数千もの種類に分けられています。
商品の種類だけでなく、仕入先の国によって細かく定められた税率です。
実行関税率は、各国との取り決めによって変わるもので、国定額率と協定税率、特恵税率の3つの中から1番低いものが適用されます。
中国輸入で関税がかからない条件
少しでもコストを抑えるために、中国輸入で関税がかからない条件と注意点があります。
免税になる条件は、関税の金額が合計1万円以下になる場合です。
ただし、革製のバッグ、手袋、編物製衣類、革靴などは免税対象外となります。
また、免税対象にするために、わざと細かく注文を分けることは課税対象となってしまうので注意しましょう。
まとめ
海外から商品を仕入れるときは、法律上のルールとして関税がつきものです。
個人輸入または商用輸入、商品ジャンルによって計算式や関税率が変わります。
関税は条件によって免税にすることも可能ですが、複雑な部分も多いので注意して進めましょう。