物販ビジネスは、ネット販売のしやすさから参入者が増えています。
その競争の中で成功するには、「利益率」が重要です。
「利益=販売価格-原価」という考えがベースですが、ネット販売にはいろいろなコストがかかるので、より細かな利益を把握する必要があります。
今回は、物販ビジネスで成功する利益率について、基礎から利益アップのポイントまでご紹介します。
利益の種類は複数ある
「利益」とは、1つの種類だけの話ではなく、さまざまな角度から見た利益があります。
良く使われる利益は、「粗利益」「営業利益」「純利益」といったものです。
その中でも物販に深い関係となるのが、「粗利益」「営業利益」になります。
2つの意味合いは以下のように異なります。
・粗利益:販売価格から原価を引いた利益(粗利益=販売価格-原価)
・営業利益:粗利益から広告費や発送費用、梱包資材費など、販売に関わったコストを引いた利益(営業利益=販売価格-原価-販売コスト)
粗利益ばかりで計算すると、最終的に採算が合っていなかったというケースもあるので注意しましょう。
利益率の具体的な計算方法
利益率は、売上に対して利益がどれくらいとれるかという割合です。
計算方法は「利益率(%)=(販売価格-原価)÷販売価格×100」となり、この場合の利益率は「粗利益率」となります。
例えば、1,000円で売った物の原価が600円の商品であれば、「粗利益率(%)=(1,000-600)÷1,000×100」となり粗利益率は40%です。
より具体的に営業利益率を算出する場合は、「営業利益率(%)=(販売価格-原価-販売コスト)÷販売価格×100」となります。
先ほどの粗利益に、販売コストが200円かかっていた場合、「営業利益率(%)=(1,000-600-200)÷1,000×100」となり営業利益率は20%です。
商品単体で見るときは粗利益でも十分ですが、店舗全体や事業で見る場合には営業利益で見なくてはいけません。
利益率の目安
利益率を意識することで、採算の基準や資金の動きが見えてきます。
物販にかかる費用は仕入れだけではないので、営業利益としてさまざまなコストを把握して収益を見なくてはいけません。
また、仕入れについても、この原価で採算が合うのか、シビアに判断ができます。
そこで気になるのが粗利益率の目安です。
販売形態や仕入れ方法によって違いが出てしまいますが、ネット販売での粗利益率は20~30%というケースが多いとされています。
価格競争の厳しい商品の場合は10%程度というケースもあるでしょう。
一方で、あまり出回っておらず、競争の少ない商品であれば、50%程度粗利益が出ているものも珍しくありません。
物販利益率を上げる方法
売上高を上げることよりも、利益率を上げることが、物販で成功する最大のポイントです。
単純に販売価格を上げて利益率を上げるだけでは、結果高くて売れなくなってしまいます。
売れるには市場の適正価格があるので、販売価格を無意味に上げることは止めましょう。
仕入れ価格を下げる
売上の反響にも影響なく、利益率を上げるには、仕入れる原価を下げるのが1番の有力な方法です。
仕入れ価格を下げれば、必然的に利益率が上がります。
現在、問屋と取引しているのであれば、メーカーや輸入元、または海外から直接仕入れれば価格は下がるでしょう。
また、発注量を増やすことで、仕入先と交渉する材料ができます。
物販販売コストの軽減
仕入れ価格同様、販売コストの軽減の利益率アップに欠かせません。
例えば、SNSでの集客力を上げて、ネットの広告費を下げることも可能です。
また、梱包資材の段ボールも、メーカー直仕入れや発注量をまとめることでコストダウンの可能性が出てきます。
まとめ
物販ビジネスは、営業利益を把握することで、しっかりと利益の残すことが可能です。
粗利益ばかりで、大雑把な利益の計算だと、最終的に赤字になってしまうこともあります。
利益率を上げるために、原価やコストを下げることも検討してみましょう。